近頃よく耳にする、目にする「中庭のある家」の暮らし方を、建築士・河野さんの目線から、熱く語っていただいた前回。
シリーズ最終回となる今回も、タメになる話がいっぱいです!閉鎖的なのに、開放的な家――「でも、こんなに開放感がある家って、隣近所の視線が集まりそうなんですけど…」河野「敷地面積いっぱいに建物を建てていますが、隣家に接している面には、ブラインドウォール(可変性のある壁)を設置します。見られたくない時は、これを閉じれば、プライバシーを確保できますよ。光や風の調節も、これでできるようになっています」
――「ブラインドウォール、はじめて聞いたけど、便利ですね」河野「外とのつながりを感じられる、というと、壁が少なかったり、窓が大きく開いていたり、を想像しがちですが、これなら、壁を作るのも、取り払うのも、瞬時で自由自在でしょ。部屋の窓も全面ガラスにしているから、外から見れば、閉じられた空間なのに、家の中は開放的で快適、なんてことが実現するんですよ」
――「家の中の気配を悟られにくいから、防犯にも役立ちそうです」河野「そうですね、施主さんご一家のように、共働きで平日の昼間は無人という状態でも、安心感があるかもしれませんね」
――「家族にとっては開放的な家で、他人にとっては閉鎖的な住空間。住みやすいから、家で過ごす時間が長くなりそう。自然との一体感を味わえることはもちろん、毎日の暮らしが潤いあるものに変化するんじゃないでしょうか」河野「もともと、人は、暑さや寒さなど自然が生み出す現象を、肌で受け止めて、暮らしを営んできた生き物。人が本来持っている暮らし方を取り戻せる、そんな家になってくれたらいいなと思っています」〈了〉
(ミヤ)