いくらステキなインテリアに囲まれても
物が雑多に散らかっていたのでは台無し。
生活に必要な道具やモノは、本当に数が多く、あっという間に増えてしまいます。
「理想の空間」ではなく「日常の現実」から発想する収納の提案は、
毎日の暮らし方にも役立ちそうです。収納は、「理想の空間」ではなく「日常の現実」から発想。――「使う場所の近くに収納スペースを作る……間取り図ではキッチンの壁面収納と、リビングのテレビの上の空間を利用した壁面収納だけのようですが」奥村「このキッチンの壁面収納はかなり容量がありますよ。そしてキッチン台のダイニングスペース側は、こんな感じで使えます」
↑キッチン台の下の収納スペース。
ダイニング側は生活のこまごまとしたものを、キッチン側はキッチンに必要なもの――大型の鍋や瓶類などの収納を想定して設計。――「わぁ〜!これはきっと便利!間仕切りとか工夫すれば、生活で使う雑多な物が一気に片づきそうですね。旅行のパンフレットや家電機器の説明書とかもここに入れておけば見たいときにすぐ取り出せて、片づけられるし。文房具類とか、薬箱、それに電気の延長コードとか、簡単なドライバーセットとか……収納したい物が次々浮かんできますよ」奥村「リビングの収納は、あえてテレビスペースの上に作りました。ここは使う頻度は少ないけど、近くに置いておきたいものを入れるのにいいかな、と。ダイニングのテレビは間仕切り代わりなので、上部を開けて下部に引き出し収納を」
↑画面の奥、テレビスペースの上に設置されているリビングの収納。奥村「リビングには、ソファの横にもオープン棚を作っています。写真では飾り棚仕様にしていますが、実用的な収納空間にしてもいいですね。ここはキッチンとの境になる部分で、こういうちょっとしたスペースを活用して棚板をつければ収納になります」
――「なるほど、ソファからすぐ手の届くところだからこれも便利そう。リモコンの置き場所もテレビ廻りより、ここの方が近くていいかも」奥村「そうなんです。日常の収納は〈適材適所〉の考え方が大切だと思います」
――「バーンと壁面収納にしてしまえば今より収納スペースが広がって、居住空間がすっきり片づくと思っていたのですが、実際やってみるとあまり変化はなく、かえって圧迫感が増した経験があります。しかも場所があるとどんどん物をためこんで、それが手の届きにくい場所だと循環が悪くなって……」奥村「収納は、一個所にまとめるという考え方もあると思いますが、やはり手の届く場所、使ったらすぐ片づけられる場所にあるのが現実的でしょう」
――「そう、薄型家具を使った壁面収納って、アタマの中で描くほどすっきりしませんでした。もとが狭いからそんなにうまくいくわけないですよね」奥村「床面積うんぬんでなく、結局それも適材適所ですよ。空間の使い方、つまり間取りも含めてのバランスです」
――「ソファやダイニングテーブルなど、座る場所に近いところは上はすっきり開けて、手の届くところにしっかり収納を作るほうがいい……」
奥村「そうです。旭化成ホームズでは〈リビングとダイニングに壁面積で7平方メートルの収納〉というのが基本的な考え方です。7平方メートルってかなりありますよ。これを随所に分散させて作るので、収納の多さを感じさせないのです」
――「う〜ん、そっか。適材適所……〈理想の空間〉から描くのではなく、〈日常の現実〉から発想するものなんですね、とくに収納は」(ワダ)
……次回へ続きます