働き系とくつろぎ系――。
違う行為をする二人が同じ空間で過ごすには、
約3.3mの距離が必要という調査結果が出ました。
それをより有効に生かし、心豊かな空間にするのが、間取り。
奥村さんは間取りの好みにも男性と女性の差があると言います。家の中でも行動特性?「こもりたい夫、見通したい妻」――「間取りの取り方にも男性と女性で好みの差があるとは……言われてみればなるほど、納得できます」奥村「間取りがというより動線計画――動き方です。基本は、夫の居場所が妻の家事動線の外にあることですね」
――「確かに、リビングに置いたキャビネットに、食卓まわりのモノを収納すると、食事のたびに忙しいですね」奥村「この間取り図を見て下さい。赤い人物が妻でキッチンにいます。この赤い点線が家事動線です」
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敷地183平方m(55.4坪)、
1階面積64.55平方m(19.5坪)2階建て建物延面積109.86平方m(33.2坪)奥村「キッチンを中心に、洗濯などの水廻り、勝手口、ダイニング、2階への階段、玄関ホール、和室へダイレクトに行けます。リビングにいる夫には全く影響ないでしょう」
――「このリビング、別室のように仕切られてますね」奥村「そうです。でも部屋じゃない。ソファとキャビネットで仕切ってるだけなので、立てば目線から上は開いています。物音や気配は十分にわかるんです」
↑ダイニングスペースの方からリビングを見た様子。
画面中央のテレビキャビネットが間仕切りになって、その向こうがリビングスペース。
↑リビングの入り口から奥をみた様子。
左側がキッチン&ダイニングスペースと隔てるキャビネット。――「ふ〜ん、なるほど〜、このリビングのソファに座っているとお互い視界に入らない。思いっきりテレビに集中できますね」奥村「そうです、男性の居場所を考えるとき、〈こもり感〉は大事なんですよ。男性って概してこもれる場所が好きな傾向にあるもんで……」
――「子ども時代の秘密基地に端を発しているんじゃないでしょうか(笑)押し入れや物置きの一角に隠れ場所を作ったり。大人になっても書斎的スペースをわざわざ屋根裏やロフトに設けたりする方、いますよね。確かに、こもると集中できるから落ち着くのでしょう。けど女性は、主婦は、家でこもっていられない。すべきことがたくさんあります」奥村「ですので反対に女性にとって、間取りに大事なのは〈見通し感〉です」
――「見通し……そうですね!料理をするからといって、キッチンにこもりっぱなしじゃないですし。テーブルを整えながら、洗濯をしながら、ときにはお客さんのお相手をしながら、と、多分多くの女性は家事をするとき、絶えず別のコトにいつでもかかれる心構えが習い性になっていると思いますね。だから家中の様子を把握しておきたい」奥村「家事は作業ですからね。その動線を妨げるものがあるととても効率が悪いわけで。動きやすいということは、見通しもいいということなんです」
――「作業している者の動きを妨げないためにも、くつろいでる人はリビングにこもっていてもらう……。けれど、この間取りは本当に別室にこもるんじゃないところがポイントですね。こもるのではなく、こもる感覚」奥村「そうです。それぞれが自分の作業に集中しつつ、お互いの気配が感じられるようにと」
(ワダ)
……次回へ続きます