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ふたりのためのリビング〈1〉
映画を観たり、自分の友達を招いておしゃべりしたり、
資格試験の勉強をしたり、趣味の作業に没頭したり……。
家でしたいことはたくさんあるけれど、
いっしょに暮らすパートナーには気を遣うもの。
互いに尊重しあうふたりだからこその思いやりですね。
<つかずはなれず>というあいまいな距離感を、
きちんと科学的な目で整理したら、
限られた面積でもプライベート感の高い間取りができました。



今回の提案は、旭化成ホームズ株式会社奈良支店奈良営業所で設計にたずさわってらっしゃる奥村一生さんです。

P1020691.jpg

〈奥村一生〉
1977年生まれ、静岡県出身。
関西大学大学院工学研究科建築学専攻を卒業。
2003年、全国社内コンペで新人賞、2005年には優秀賞を受賞。
趣味は旅行。
興味のある近代建築や美術館を訪れて、近くの温泉を楽しむというのが定番。最近印象深かったのは金沢21世紀美術館。
「ガラスで構成された広く開放的な作り、そして作品を観る人の主観にゆだねられるデザインに感銘しました。」



つかずはなれずプランニング

――「今回、ご提案いただいたテーマが〈つかずはなれずプランニング〉とありますが……」
奥村「そうです。そばにいてるけどじゃましない存在であるための空間プランニング、ということですね」
――「なるほど、一人でいるのは淋しいけれど、楽しみにしていた映画やドラマに熱中しているときに横でパタパタ歩かれたり、反対に勉強や仕事をしてるときにテレビを突然つけられると、一人にさせて!って心の中で叫んでるってこと、ありますね」
奥村「例えばご主人はリアルタイムでスポーツ中継を観たいけど、同じ時間帯に奥さんはお友達を招きたい、そんなとき、互いに気兼ねせずリビングやダイニングでいっしょにくつろげたらいいな、と。実際そんなご相談もあります」
――「で、今回は夫婦ふたり家族を想定されての提案なんですね」
奥村「調査によると1980年代は4人家族が主流だったのが、最近は1人とか2人の世帯が増えてきているらしいのです。2010年までに60代夫婦だけの世帯は35万世帯も増加し、反対に50代夫婦と子どもの世帯は70万世帯も減ってしまう、というデータもあります」
――「2人世帯が今後増えるであろうというわけですね。子どもが自立したから、自分の時間を確保して家で過ごす時間を充実させたいと。一人暮らしの自由さと二人で暮らす安らぎの、良い部分だけを叶えられる家なんですね。
んー、でもそれって、どちらかが引っ込む場所、書斎なんかがあれば……」

奥村「いえいえ、引っ込む、ではなくてですね、遠慮とかガマンとか気遣いせずに、自然にそれぞれがいたい場所でしたいことをできる、という日常でないと。家なんですから。それに、多分誰にとってもリビングかダイニングっていちばん居やすい場所でしょう」
――「そうですね〜、いつもいる場所で本を読んだりパソコンしたり、テレビみながら顔のお手入れとかしたいし」
奥村「ということで二人は<つかずはなれず>なんですよ。同じ空間にいながら、お互いを邪魔しない間取りです」
――「そういうことって、思いやりとか我慢とか、心の在りようの問題としか考えてなかったですね。でなければ広〜い家にでも住まなくちゃ解決しないと」
奥村「我が社で、家の中で快適であると感じる距離のアンケート調査を行ったんです」
――「へえ〜、他人と快適に過ごすための距離の話しは聞きますが、家族でというのは初めてです」
(ワダ)

……次回へ続きます


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02/05 11:00 | 奥村一生の空想空間 | CM:1
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