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建築家の仕事〜それは、家の物語の序章を作ること〜〈6〉
リビングに、ちょうどいい和を(1)

家の中心に和室を持ってきて、日常的に和の空間に慣れ親しむこと、様式や格式を飛び越え、あらかじめ演出をすることが和室への苦手意識を取り除くという児玉さん。
家族が過ごすことの多いリビングは、さて、どんな演出を施すのでしょうか?


――「この間取りでは、和室の南隣がリビング。二つの空間を仕切る戸は、格子戸のようなデザインです」
(↓クリックで拡大します)



児玉「はい、襖にすると和に片寄りすぎるので、格子模様の引き戸にしました」
――「ここを閉じれば、それぞれに独立した空間にもなるし、開ければ連続した空間になりますね」
児玉「庭は和室側にあるので、普段は開け放していることの方が多いかと思うんです。その際、戸が浮いた存在にならないよう、どちらの空間にも馴染むようにするというのは、案外重要なことですね。それぞれの空間の中については、いろいろな工夫をしても、意外に戸というのは見落とされることが多いので」
――「ああ、そうですね。隅々にまで気を配らないと、印象を損なうことがあるから注意しないといけないポイントかもしれませんね。うん、この格子戸ならどちらの空間にも違和感がありません」
児玉「ええ。さらに加えて言うと、リビングの天井の梁に使用している古材と同じような色、材質のものを使っています」

(↓クリックで拡大します)

kojima02.jpg

――「ホントですね!この梁と相性抜群」
児玉「古材というのは、1点ものなので、空間にぴったりのものを選ばなくてはいけないんです。例えば、施主さん側から、この古材を新しい家のどこかに利用して欲しい、とあらかじめオーダーされることもありますし、こちらが設計プランを立てて、ここに古材を使いませんか?と提案することもあります」
――「よく古材を用いた家の紹介をメディアで見る時って、もともと住んでいた家で使われていた、という場合が多いのですが、そればかりじゃないのですね」
児玉「そうですよ。古材が好きで、住む家に使いたいけど、もとの住居が集合住宅という方もいますからね。古材との出会い方は、100件家があれば、100通りある。ホントに千差万別ですよ」
――「これだ!という古材との出会いも、また楽しみのひとつ?」
児玉「はい。完成のイメージと材料がピタッと一致する瞬間は、何とも言えません」
――「家の一部に使われる材料ひとつにも、物語がある。そう考えると、家づくりってすごくロマンチックですね」
(ミヤ)

……次回へ続きます


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12/11 11:00 | 児玉哲志の空想空間 | CM:0
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