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コミュニケーションを育む二世帯住宅〈1〉
暮らし方の違う二つの家族が、一つ屋根の下に暮らす。
相手を想うからこそ、そこにはちょっと工夫が必要です。
ゆっくりと、じっくりと、時間をかけてお互いを分かり合う。
異なる世代を優しくつなぐ、そんな二世帯住宅の相談です。


今回、二世帯住宅のテーマでお願いしたのは、住友林業(株)住宅本部奈良支店 設計グループの一級建築士・森濱秀人さん。
打ち合わせの間中、その内容を次々とスケッチに起こされます。
手が止まっている時間の方が短かったかもしれません。
思っていることが目の前で描かれる様は、まるで魔法のようです。
   
sumirin01

1956年長崎県生まれ、九州産業大学工学部建築学科卒業。九州、山口エリアで19年間活躍され、奈良支店に着任。5年目を迎えられます。貴重な休日はもっぱら神社仏閣めぐりで過ごすのだそう。創建当時の壮麗な様子に想いを馳せるひとときが楽しく、古の技術やデザインから大いに刺激を受けることもあるそうです。設計のモットーは「気持ちいい家造り」。敬愛する建築家は村野藤吾。

――「今回の依頼家族ですが、このような構成です」
夫(60歳)イラストレーター、妻(53歳)装丁家、長男(30歳)出版社勤務、嫁(27歳)出版社勤務

森濱「なるほど。今は親御さんと息子さん夫婦は別に暮らしているのですね」
――「そうです。ご両親夫婦は大阪市内に、長男夫婦は東京に住んでいますが最近、長男さんの大阪転勤が決まり、これを機会に2世帯住宅を建てて同居することに決めたそうです。長男夫婦はそろそろ子どもが欲しいと考えているので、両親の近くに暮らせて自然環境の良い、しかも大阪市内への通勤にも便利なイーストヒルズ勢野で2世帯住宅を建てようかと言っています」
森濱「お嫁さんは大阪の方ですか?」
――「いえ、東京の方だそうです。東京で知り合って結婚されたと」
森濱「じゃあご両親さんとはあまり深くお付き合いできていないですね」
――「そうらしいです。お互い歩み寄る気持ちはあるけれど、言葉も違うしノリというか生活の呼吸も違う。そんなことを気にしつつも、前向きにコミュニケーションを図っていこうと……」
森濱「分かります、分かります」
――「それで、親御さんのほうの希望ですが、まず、仕事場であるアトリエが必要です。そして仕事柄来客が多く、旅行も多い。長男夫婦とは暮らしのペースが合わないだろうという配慮から、基本的に日々の生活は別にしたい。とはいっても、お互い顔を合わせられる共有スペースは欲しい、と」
森濱「お嫁さんは仕事はどうされるんですか」
――「関西に来るのを機に、退職するそうです。しばらくは奈良の暮らしを楽しみながら、土地勘もつけていこうと」
森濱「じゃあ、長男さんが出勤されているときは、お嫁さんは親御さんといっしょにいる時間が長くなりますね」
――「そうですねぇ、どうなるんでしょうかねぇ……」

縦分割型、上下分割型、LDK共有型など、2世帯住宅のスタイルもさまざま。
自分たちにはどんな形が合うか、それは暮らしてみないと分からないというのが現実ではないでしょうか。
しかしプロはたくさんの事例を見てきています。
経験による豊富な情報の中からさまざまな考え方を提案してくれます。
次回から森濱さんのプレゼンテーションを伺いましょう。
(ワダ)

……次回へ続きます


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03/20 11:00 | 森濱秀人の空想住宅 | CM:0 | TB:0
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