広い中庭と一体化する間仕切り壁のない1階……自然を身近に感じる間取りプランを聞いて夢は広がりますが、現実はどうなのでしょう?
とくに冬の冷え込み。
暖房を入れても暖まるまで時間がかかるのでは考えものです。
しかし、こちらの想像以上に快適そうな提案がありました。家全体を、風も通せる魔法瓶にする――「1階全体が庭とつながる開放感は素敵なんですけど、このままでは冬場はなんだか寒そうです。リビングは吹き抜け天井だし、朝や、あるいは夕方の誰もいない家に一番に帰ってくるときとか、白い息を吐きながら部屋が暖まるのを待つのなんていやだなぁ」中辻「家中、オール床暖房にするんですよ」
――「う〜ん、これだけ開放的だと暖まるにもかなり時間がかかりそう。それぐらいはガマンしなくちゃいけませんかね。光熱費も……」中辻「わかっています。おすすめするにはそれなりの理由があるんですよ。まず、家全体を魔法瓶のような構造にする、と考えてみてください」
――「魔法瓶ですか?温度を保つ……」中辻「そうです。何がいいたいかというと、極厚のベタ基礎と断熱材を用いた壁面を一体化して全体を断熱構造にし、外気の影響をほとんど受けないようにするんです。魔法瓶を地面に少し埋めた状態を想像して下さい」
――「床下は……?」中辻「ありますが従来の日本家屋でいうところの形ではないです。極厚のベタ基礎で地面からの湿気を遮断し、外気の通らない床下に蓄熱放熱器を入れます。蓄熱には深夜電力を利用しますし、太陽光発電と合わせてかなりのコストダウンを期待できます。そして廊下や洗面所など居室外の床に通風口を作ります。家中バリアフリーで暖めるので、夜中のトイレも廊下もヒヤッとすることはありません」
――「へえ〜、じゃあ冬でも家中ハダシでペタペタと歩ける……」中辻「これもある意味、LOHASの考え方ですね。天然の断熱材、地面を利用してるのですから。地中は温度の変動が少なく、湿気さえ解消すれば素晴らしい素材です。このシステムで従来より床面温度が約2℃暖かくなるといわれています」
――「夏は?窓を開け放てばいいというわけですね」中辻「それと、リビングの吹き抜け天井に付けたトップライト。断面図のとおり、中庭から入った風が気圧差でトップライトに抜けてゆくのです。これで夏場は通常より約2℃は気温が下がります。クーラーの使用は多分減るでしょうね」
――「気持ちよさそう〜。お庭には植物をたくさん育てて、家の中も緑の香りいっぱいにしたいですね」(ワダ)
……次回へ続きます