婚約中のカップルが、新生活を始めるにあたってオーダーしたのは、「自由自在に仕切れる家」。
未来のことはわからないから、いろいろ考えるより、今からきっちり決め込まないのもありかな、と思います。家の歴史は、家族の歴史―――「新婚生活は、新しい家でスタート!夢や希望にあふれた若いカップルは、まだ決められない部分も多いから、作り込みすぎないで欲しいということでした」久保田「そうですね。インテリアや家具の好みだって完全に一致することはないし、休日の家での過ごし方なども一緒に住んでみて、はじめて知ることになります。だから、作り込みすぎないようにする、というのは賢明だと思います。今までたくさんの方のオーダーを聞いてきましたけど、やはりふたりが協力しあって、意見を一致させている方がスムーズにいきますよ」
―――「そういえば、私の知人で、家を購入する際に、奥様がすべて仕切って、家具も雑貨も、家の中はカントリー調にした人がいたんですよ。奥様友達からはすごく好評で、奥様も自慢に思っていたんですけど、ある日、ご主人の友人が家に来て、“おまえ、居場所ないなぁ”って、ご主人に。反論するでもなく、同調するでもなく、苦笑いしているご主人を見て、“あぁ、しまった、家族のための家なのに、私は何をしてたんだろう”って。結局、全部家具、雑貨を入れ替えたって言ってました」久保田「それから、低コストにして欲しいというのがもうひとつのオーダーでした」
―――「結婚当初って、何かとお金が出ていくんですよね、ホントに」久保田「だから、オプション的な設えは省きました。意識したのは、オプション付きの家というよりは、ベーシックな家。細かなオプションは、必要になったら加えればいい。暮らしていくうちに住んでいる人たちの個性やこだわりが浮かび上がっていくような建物にしよう、シンプルだけど、基礎がしっかりしている、それこそ、新しい人生の扉を開くステージにふさわしいのではないか、と思ったんです」
―――「子供が生まれたり、いろんな出来事がある度に、家の中も手を加えられる。家の歴史が家族の歴史って、感じですね」(ミヤ)……次回に続きます