前回、収納計画で上がった〈適材適所〉という考え方、
これは窓計画についても同じだと奥村さんは言います。
まず考えるのは、居場所に対して採光が心地よく、眺めがいいこと。そして、風通し。
見た目のよさや理屈ではなく、暮らし方からの発想が決め手。
窓の位置一つで快適さはずいぶん変わるので、これも聞き逃せないお話です。眺め・明るさ・風通し。窓も適材適所に計画。――「先ほど説明いただいた、ワンフロアの中に作る〈こもる空間〉――今回のプランではテレビに集中できるリビングと、妻の書斎スペースなんですが――どちらも集中できる分、囲われています。けれど、視線に合わせて窓があって開放感がある……」奥村「そうです。窓は採光に加えて、風の流れや景観も考慮して作ります」
――「私は明るすぎるところはちょっとしんどいんです。どうも人よりまぶしがりみたいで。だから日光がさんさんと降り注ぐ中にいるのは苦手。けど、やはり昼間は太陽光線で暮らしたい……というのはうるさい注文でしょうか」奥村「もともと光と向き合って座るようにはしませんから。間取り図を見て下さい。真ん中あたりに吹き抜けを作っています。これはちょうどダイニングテーブルの真上ではなく、ちょっとずらしています。リビングやキッチン、ダイニングテーブルの反対側は、吹き抜けの壁部分に反射した光を受けることになるので、やわらかで明るい光が入ります」
↑2階の吹き抜けから、階下を見下ろす。手前がダイニング、向こうがリビング。――「なるほど、吹き抜けはそういう効用もあるのですね。階下の空間に光をやわらかくまわすという……」奥村「で、リビングの窓、というかこれはウッドデッキとリビングを一体化できるようにガラスサッシにしています。ここには2階部分がひさしになってるので、ちょっと影も出来るでしょう。たとえば、真夏の昼間にテレビを観る、などというときはブラインドを下の方まで降ろしても、ソファの背後の壁に窓があるし吹き抜けの反射光も入ってくるし」
↑扉を開放すれば、ウッドデッキと一体化できるリビング。――「光の様子までイメージできたら、家族の気配を感じられる<こもる空間>というのがわかってきました。孤立せずに集中できる居心地のよさ……」奥村「採光や通風は家作りにとって重要です。ご自身が心地よいと感じる光はどういうものか、設計士にはっきり伝えていただいたほうがいいですよ。
妻のデスクスペースも、目の前が窓ですがこちらは外のグリーンで影を作るのも一つの方法ですね。あとキッチンの勝手口もガラスの扉にし、そして収納の上にも窓がありまして、採光と通風を考慮して設置しています」
――「和室の様子はどうなんですか。今までリビングとキッチンの話しばかりでしたが」奥村「やはり和の空間も欲しいというご要望は多く、それでいて生活の基本は洋スタイルなので、モダンな感覚の和室というのを作ってみました」
――「たたみや和の建具があると、ほっとしますものね」奥村「ポイントは、洋スタイルのリビングと調和のとれたデザイン。それとどうしても仕切ってしまうので圧迫感のないこと。この写真をご覧ください」
↑玄関からの視界。玄関ホールの向かいに和室がある。障子戸の右手がダイニング。
↑玄関側から見た和室。
↑ダイニング側から見た和室。――「窓がぐっと下に」奥村「たたみでくつろぐことから、地窓にしました。この物件では窓の外にスペースがないので、坪庭を作る予定です」
――「隣家の壁と接近しているのですね。だからあえて上部は収納でその下に地窓を」奥村「はい、ちらっと見えつつ開放感をもたらせればと。そして障子を開け放してダイニングとつながってもなじむ内装にしました」
――「こっちにテレビを置いて、たたみでごろ寝もいいですね。なるほど、リビングが和と洋の2つあるという設計なんですね」奥村「そうです。結局1階はワンフロアでつながっているんですよ。和室も障子だけにしているので、締め切っても気配は感じられます」
――「来客時は状況に応じて、どちらかを使えばいいですね」<ワダ>
…次回へ続きます。