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ギャラリーのある家〈2〉
夫婦でツーリングが趣味、プライベートな時間は来客が多く、奥様は料理は好きだけど整理整頓が苦手。いつも散らかっているのが慢性的な悩みなのだそうです。
そんな状況を聞いてパナホームの設計士、一ッ矢さんが提案してくれたのは……?


愛車をリビングのインテリアに!
一ッ矢「大型バイクのご趣味を満喫するのに、こんな住まいはいかがでしょう?」

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―――「わあ〜、ガレージがガラス張りになってショールームみたい!」
一ッ矢「でしょ?これくらい遊ぶのもいいですよ。愛車をインテリアにしてしまおうという設計です」
―――「とはいえ、いつもショールームみたいにきれいに保てればいいですけど、オートバイですからねえ……ダイニングにも面してるし、食卓とオートバイの組み合わせは何とも……」
一ッ矢「ロールカーテンとかブラインドは付けますよ。けれど隠さなくても清潔感を演出する工夫がちゃんとあるんです」
―――「収納ですか?」
一ッ矢「もちろん作りつけの収納はこの壁面全体に。ポイントはこの吹き抜け天井です」
―――「ああ、なるほど。天井が高いとゆったり見えますものね。狭い箱型空間では、せっかくの魅力も引き立ちませんよね」
一ッ矢「それに採光です。ガレージの天井部分は屋根まで吹き抜けになって、2階の外壁の窓と屋根に付けたトップライトから自然光を取り入れます。上から差し込む光が空間を広く見せてくれますし、換気の効果も高めてくれるんです」
―――「へえ〜、断面図を見るとこのガレージの上の窓から入る光は、リビングやダイニングまで届くんですね」
一ッ矢「そして内装も照明も室内感覚でデザインします。さっき言った壁面収納に工具類は全部入れて、ライダーズスーツとかヘルメットは専用ラックなどを作って見せる収納に。床もコンクリートむき出しにせず、汚れても目立たないタイル床にします。照明も作業のしやすさと磨き上げたバイクが映えるよう両立させます」
―――「ホントにショールームみたい!」
一ッ矢「ますます磨きたくなるんじゃないでしょうか」
―――「このアイデアって愛車のガレージだけでなく、ここでなにかオブジェ製作とか日曜大工とかも楽しめそう。生活空間のすぐそばっていうのがいいですね」
(ワダ)

……次回へ続きます


せやバナー
02/27 11:58 | 一ッ矢善正の空想住宅 | CM:0 | TB:0
ギャラリーのある家〈1〉
オートバイが大好きで毎日だって乗りたいくらいだけど、休日しか乗れない。
だからふだんはいつも目の届くところに置いて眺めておきたい――。
そんな声に応えて提案されたのが、家の中にショールームのようなギャラリースペースを作ってしまおう!という遊び心いっぱいの間取り。
日常に趣味の刺激をもたらす、シンプルだけどとっても贅沢な住まいです。


今回お願いしたのは、パナホーム(株)奈良支社設計部の一ッ矢善正さん。
2級建築士のほか福祉住環境コーディネーター3級の資格も取得し、人をいたわる優しい住まい作りに取り組まれています。

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1973年京都府生まれ、摂南大学工学部建築学科卒業。入社後インテリアデザインを経てて、現在の建物設計・外構設計へ。インテリアデザイン、設計併せて手掛けた住宅は350棟以上。作品は八木展示場と田原本展示場で見られます。趣味は建築の見学を兼ねたドライブ。大の植物好きで家の中は観葉植物でいっぱいなのだそうです。

―――「今回依頼のご家族は、会社勤務の30代のカップル、お子さんはいません。ご夫婦でオートバイが趣味。まとまった休みができるとツーリングに出掛けるそうです」
一ッ矢「いいですね。私も休日は車で遠出しますよ。いい建築を観るために」
―――「バイクは1400ccと1100cc、750cc、あと通勤用のスクーターが2台。それと、ご主人が音楽が趣味でCDとそれに本が常時6畳の部屋を占拠してるくらいあるのだそうです。加えてギターのコレクションも数本。奥様はバイク以外、特に趣味はないということでしたが、よくよく聞けば料理が好きなんだそうですね。近所に住む姉弟とかご主人のバンド仲間とか、来客があるとすぐにちょこちょこっと作って宴会になってしまうそうです」
一ッ矢「奥様は仕事をされてて、休日はツーリングを楽しんで、来客もしょっちゅうあって、となるとけっこう忙しいんじゃないですかね」
―――「そうみたいです。料理は好きだけど掃除、というより、片づけ、整理整頓が苦手。やりだしたら大々的になって、日常のこまめなお片づけができない……と」
一ッ矢「そうおっしゃる方、多いですよ。家事でも得手不得手、好きなものと億劫な分野があるでしょうね」
―――「依頼者からの設計の希望は、今、オートバイは住まいから離れたところにあるガレージに置いてるのでメンテナンスに不便、とにかく思い立ったときにバイクを触れるようガレージと整備のスペースを確保したいとのことです。それとCDと本の収納スペースも」
一ッ矢「わかりました。来客が多いのに整理整頓が苦手という問題も解決できたらいいですね。短時間ですっきりスペースを作れるように」
―――「それは誰にとっても夢みたい!」

スペースの必要な趣味を家で楽しめるのは、戸建て住宅ならではの魅力。
注文建築で造るなら、なにかちょっと遊び心は欲しいところです。
希望はたくさんあるけれど、イメージばかりできちんと説明できないという依頼者の心配をヨソに、一ッ矢さんは若い大人のカップルによく似合う、シンプルでスタイリッシュな設計を提案してくださいました。
次回からそのプレゼンテーションを詳しくご紹介します。
(ワダ)

……次回へ続きます


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02/21 13:31 | 一ッ矢善正の空想住宅 | CM:0 | TB:0
環境共生の家〈4〉
底面と壁を断熱材で一体化した魔法瓶のような構造の家。
地面の湿気を遮断した低コストの床暖房で冬は家中どこでも暖か、
夏は中庭と吹き抜け天井に作ったトップライトで涼しく。
1年中開放的で快適な家ができそうです。


奈良の美しい山々を眺めるワイドビュー
――「間取り断面図を見ると、1階のリビングは吹き抜けで2階とつながっているわけですね」
中辻「そうです、その話しの前に、どんな2階か説明しましょう」
――「なにか仕掛けがあるんですか?」
中辻「まあちょっと。この外観図を見て下さい。1階壁面は外からの視線をさえぎる必要があるので窓は小さく、反対に2階はこんな広いガラスが入ってるでしょう。これ、窓でなく壁です。もちろん、外から中の様子は見えないガラスを使います」

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――「じゃあ、2階に上がればパノラマビュー……!」
中辻「1階は中庭を中心に家中をぐるりと見渡せ、かつ、リビングの吹き抜け天井で上への広がりをもたらします。2階は広いガラス壁で外界に対して水平の開放感を楽しめるようにしました。もし高台で立地がよければ、奈良の美しい景色を眺められるでしょうね」
――「しかも2階の光は1階にも降り注いで。天井が高いからほどほどに明るくやわらかなんでしょうね。リビングのイメージが湧いてきました」

家族が集うオープンプランニング

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――「1階は間仕切りなしのオープンプランニング、そして2階吹き抜けでつながって……だから底も壁も一体化した魔法瓶構造の家なんですね。開放的でも寒くないのはいいのですが、誰か急に来たとき丸見えにならないですか?」
中辻「1階の間取り図見て下さい。玄関ホールに立ったとします。いくらオープンでもトイレとサニタリーは壁で囲うでしょう。仕事部屋もある程度は仕切りますよね。となると、中庭を通して見えるのはダイニングとリビングぐらいですよ。庭にグリーンを繁らせば、そっちに先に目がいくでしょうしね」

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――「中庭っていろんな効果があるんですね」
中辻「直接見えなくても空間はつなげておく、たとえば玄関からそのまま2階に上がっても1階で気配は察知できるはずです。
――「子どもが外から帰ってきて、だまって2階にあがるようなことがあってもゼッタイ分かる……」
中辻「開放的なオープンプランニングは、ただ広さを感じられるということだけでなく、家族の絆にもなにかしらの影響はあると思います」
――「家族それぞれが自室にこもりっきりで会話がないとか、成績の良い子はリビングで勉強してたなんて話も聞きますしね」
中辻「具体的な影響は家庭によって違うでしょうし、そこまで言及できませんが、少なくとも言えるのは人生全体から見ると、親子いっしょに暮らせる時間は決して長くはありません。共に過ごす一日一日がより豊かに感じられる環境を提案できたらいいですね」〈了〉
(ワダ)

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02/13 11:45 | 中辻佳一の空想住宅 | CM:0 | TB:0
環境共生の家〈3〉
広い中庭と一体化する間仕切り壁のない1階……自然を身近に感じる間取りプランを聞いて夢は広がりますが、現実はどうなのでしょう?
とくに冬の冷え込み。
暖房を入れても暖まるまで時間がかかるのでは考えものです。
しかし、こちらの想像以上に快適そうな提案がありました。


家全体を、風も通せる魔法瓶にする
――「1階全体が庭とつながる開放感は素敵なんですけど、このままでは冬場はなんだか寒そうです。リビングは吹き抜け天井だし、朝や、あるいは夕方の誰もいない家に一番に帰ってくるときとか、白い息を吐きながら部屋が暖まるのを待つのなんていやだなぁ」
中辻「家中、オール床暖房にするんですよ」
――「う〜ん、これだけ開放的だと暖まるにもかなり時間がかかりそう。それぐらいはガマンしなくちゃいけませんかね。光熱費も……」
中辻「わかっています。おすすめするにはそれなりの理由があるんですよ。まず、家全体を魔法瓶のような構造にする、と考えてみてください」
――「魔法瓶ですか?温度を保つ……」
中辻「そうです。何がいいたいかというと、極厚のベタ基礎と断熱材を用いた壁面を一体化して全体を断熱構造にし、外気の影響をほとんど受けないようにするんです。魔法瓶を地面に少し埋めた状態を想像して下さい」
――「床下は……?」
中辻「ありますが従来の日本家屋でいうところの形ではないです。極厚のベタ基礎で地面からの湿気を遮断し、外気の通らない床下に蓄熱放熱器を入れます。蓄熱には深夜電力を利用しますし、太陽光発電と合わせてかなりのコストダウンを期待できます。そして廊下や洗面所など居室外の床に通風口を作ります。家中バリアフリーで暖めるので、夜中のトイレも廊下もヒヤッとすることはありません」
――「へえ〜、じゃあ冬でも家中ハダシでペタペタと歩ける……」
中辻「これもある意味、LOHASの考え方ですね。天然の断熱材、地面を利用してるのですから。地中は温度の変動が少なく、湿気さえ解消すれば素晴らしい素材です。このシステムで従来より床面温度が約2℃暖かくなるといわれています」

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――「夏は?窓を開け放てばいいというわけですね」
中辻「それと、リビングの吹き抜け天井に付けたトップライト。断面図のとおり、中庭から入った風が気圧差でトップライトに抜けてゆくのです。これで夏場は通常より約2℃は気温が下がります。クーラーの使用は多分減るでしょうね」
――「気持ちよさそう〜。お庭には植物をたくさん育てて、家の中も緑の香りいっぱいにしたいですね」
(ワダ)

……次回へ続きます


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02/06 11:37 | 中辻佳一の空想住宅 | CM:0 | TB:1
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